GC/MS(ガスクロマトグラフ質量分析計)について

当センターでは、大気、河川水、土壌などの環境試料や、工場排水、廃棄物の最終処分場周辺の地下水などに有害な成分が入っていないかどうか検査しています。有害な成分には、シマジン及びチオベンカルブという農薬があり、これらはGC/MS(ガスクロマトグラフ質量分析計)を使って検査をしています。

GC/MSとは

この装置は、「ガスクロマトグラフ」、「イオン化部」、「質量分析部」及び「データ処理部」から構成されています。「ガスクロマトグラフ」では、試料注入部に試料を導入して加熱気化し、キャリアーガス(ヘリウムガス)によって分離カラムに送り、目的成分と夾雑成分を分離します。分離した目的成分は、「イオン化部」に導入し、電子を衝突させてイオン化します。発生したイオンは、「質量分析部」で四重極により発生した電場を通過し、分離・検出されます。

GC/MSは、設定したm/z(質量/電荷)を持つイオンのみを測定する選択イオン検出(SIM)法により、選択性が高く、妨害を受けることが少なく、高感度な分析が可能です。固相抽出法などの前処理と組み合わせることにより、1リットル中に1マイクログラム(1グラムの100万分の1)くらいであっても検査することができます。

GC/MS

GC/MSの写真

GC/MSの構成

GC/MSの構成の図

シマジンのSIM測定

濃度の分かっている標準物質のピーク面積と試料のピーク面積を比べることにより、試料中の濃度を知ることができます。

シマジンの標準物質を注入すると、上図のようなマススペクトルが得られます。この結果から2つのm/z(201、186)を選択し、SIM測定すると下図のようなイオンクロマトグラムが得られます。この2つのm/zのピーク面積の比率はシマジン特有のものであることから、ピークが現れる時間(保持時間15.5分)とピーク面積の比率がほぼ等しい場合は、シマジンのピークであると判定します。

シマジン標準物質のマススペクトル

シマジン標準物質のマススペクトルの図

シマジンのイオンクロマトグラム

シマジンのイオンクロマトグラムの図